あったかい布団でおやすみ『ぼくのりりっくのぼうよみ』が辞職を発表
私はぼくのりりっくのぼうよみを辞職します
9月21日夜放送の日本テレビ系「NEWS ZERO」に、20歳の現役大学生ラッパー/ヴォーカリスト『ぼくのりりっくのぼうよみ』が出演し、2019年1月をもって音楽活動を終了することを明らかにしました。
事前のネット記事では、同番組で特集が組まれ、デビューしてから3年経ち20歳になった彼が音楽や自身の生き方について語り、さらに『本人から重大発表もある』とのことでしたが、まさかの発表に驚いたファンも多かったのではないかと予想します。
しかし、今回の発表に際して今思えばたしかに前兆はありました。
たとえば、8月下旬に過去のツイートを消し、9月19日には何の前触れもなくゲリラ的に意味深なタイトルのシングル『僕はもういない』を配信リリースするなど・・・
最近の彼の心情を物語っているかのようなジャケットのアートワークはどこか痛々しさを感じますし、今は、ぼくりりの人格と本名での人格がごちゃごちゃになっているような印象も受けます。
そして、番組内のインタビューの中では「ぼくのりりっくのぼうよみというアーティストを葬ろうと思っています」と宣言。
また、所属レコード会社からの音楽活動終了に関しての彼のコメントは「私はぼくのりりっくのぼうよみを辞職します。自分で作り上げたこの偶像を破壊することで、3年間の活動を全うしたいと思います。終幕までぜひお楽しみください」というものでした。
当然、Twitter などのSNSでも悲しむ声と、やっぱりか!とそんな気がしていたという声が入り乱れることに。
そして番組放送後の22日未明には本人から次のつぶやきが投稿されました。
こんなことなら、才能なんてなければよかった。ありきたりな人間に生まれればよかった。
— ぼくのりりっくのぼうよみ (@sigaisen2) September 21, 2018
このつぶやきに対して実にさまざまなコメントがされ、それらに目を通す中、個人的にいちばん共感したものがこちらでした。
あったかいお布団ではやくねな
— なあたん (@ptptyaki_) September 21, 2018
ぼくのりりっくのぼうよみ とは?
“紫外線”や“ぼくのりりっくのぼうよみ”名義で動画サイトに楽曲を投稿したことをきっかけに注目を集め、高校2年生時に10代限定フェス「閃光ライオット」のファイナリストに。
高校3年の2015年12月に 1st アルバム『hollow world』でメジャーデビューを飾ると、
2017年1月25日には 2nd アルバム『Noah's Ark』
2017年11月22日には 3rd アルバム『Fruits Decaying』と順調すぎるペースで作品をリリース。
並行して2017年には、映画『3月のライオン』前編主題歌「Be Noble」、資生堂「アネッサ」CMソング「SKY's the limit」、テレビ東京ドラマ25『SR サイタマノラッパー~マイクの細道~』EDテーマ「つきとさなぎ」など、矢継ぎ早にタイアップ曲を制作。
2018年4月には、元SMAPの香取慎吾&草なぎ剛によるユニット「SingTuyo(しんつよ)」に楽曲「KISS is my life.」を提供するなど精力的に活動していました。
音楽性は、以下のように初期と最近の楽曲を聴き比べても変わらず共通しているのはワード選び(センス)とトラックへの乗せ方の絶妙さなのですが、なかなか端的に説明するのは難しいものです。
1st アルバムに収録されている「sub/objective」のミュージックビデオ
ぼくのりりっくのぼうよみ - 「sub/objective」ミュージックビデオ - YouTube
ラストアルバムに収録される「輪廻転生」のミュージックビデオ
ぼくのりりっくのぼうよみ - 「輪廻転生」Music Video - YouTube
そして、ぼくりりの音楽を表現するときに使われ続けた〈卓越した言語力によるリリック〉、〈研ぎ澄まされたリリック〉〈言葉を縦横無尽に操る文学性の高いリリック〉などの一見的を得ているようで実はよくわからない曖昧な賛辞の言葉にも彼は疑問を持っていたのかもしれません。
全国ツアーにアルバムリリース、今度の動向に注目が集まりそうです
9月25日からは全国8カ所をまわるツアー"ぼくのりりっくのぼうよみ 「僕はもう......」"を開催。
12月12日にラストアルバム『没落』と、ベスト・アルバム『人間』の2作を同時リリースするということなので期待と注目が集まりそうです。