聴きたい!ゆるさや歌謡曲っぽさがクセになる邦楽男女混合バンド
『はっぴいえんど』経由のゆるさや懐かしさ
ひとつのカテゴリーには当てはまらない、ジャンルレスな音楽性。
それはメンバーたちが聴いてきた、幅広い音楽のバックグラウンドが理由のひとつ。
それゆえ、一枚のアルバムの中にもさまざまな要素のサウンドが収録され、作品ごとに変化・進化していく・・・。
近ごろはこんなバンドを多く見かけます。
そんななか、ほどよい「ゆるさ」、懐かしさや郷愁を誘う「歌謡曲っぽさ」「ニューミュージックっぽさ」、ひとクセある「捻りのあるサウンド」、メンバーが「男女混合」のーキーワードで浮かび上がった良質なバンドを5組選んでみます。
そしてもうひとつ共通していそうなのは、きっと日本語ロックの元祖的存在のバンド『はっぴいえんど』を聴いてる(通過している)んじゃないかということです。
阿佐ヶ谷ロマンティクス
2014年の春にじわじわと結成された、純度の高いポップスを志向する5人組バンド。
2nd アルバム『灯がともる頃には』より 「君の待つ方へ」
キイチビール&ザ・ホーリーティッツ
2015年5月に駒澤大学のジャズサークルの先輩・後輩を中心に結成された5人組バンド。
メンバーは、キイチビール(Vo、G)、KD(Cho)、橋本=タフネス=樹(B、Cho)、りょう(Key)、タカヒロ(Ds)。
ゆるさや懐かしさを感じるメロディとキイチビールの力の抜けた歌声、女性メンバーKDのコーラスが混ざり合ったのびのびとしたサウンドが特徴です。
1990年代のバンド『The ピーズ』や2人組ユニット『ホフディラン』らの影響を受けたあたたかくピースフルな雰囲気も彼らの音楽に滲み出ています。
1st アルバム『トランシーバ・デート』より 「たまらない夜」
Taiko Super Kicks(タイコ・スーパー・キックス)
2012年結成、2013年から本格的な活動を開始した東京都内を中心に活動する4人組バンド。
メンバーは、伊藤暁里(Vo、G)、樺山太地(G)、大堀晃生(B、Cho)、こばやしのぞみ(Ds)。
表向きはゆるさと素朴さが同居するポップバンドの様相、派手さのない平熱のベッドルームミュージックのような。
しかし聴き込めば、アンビエント、プログレッシブロック、サイケデリックなどの音楽要素も垣間見え、シンプルなようで実は奥深いサウンドが彼らの特徴でもあります。
アルバム『Fragment』より 「のびていく」
バレーボウイズ
2015年に結成された男女混声6人組バンド。
メンバーは、前田流星(Vo)、オオムラツヅミ(Vo)、ネギ(G、Vo)、高山燦(G)、九鬼知也(G)、武田啓希(Ds)。
ノスタルジックで歌謡ライクなメロディと歌のハーモニー、哀愁を帯びたギターで青春の響きを“合唱”のスタイルで聴かせる、京都精華大学の学園祭「木野祭」出演のために2015年に結成された男女混成グループ。
みんなで合唱しようぜ!というの彼らの楽曲を、70年代のフォークやグループサウンズを知っている世代からは当時の甘酸っぱい思い出がオーバーラップして懐かしいとの声が上がりそうな反面、本人たちからは、やりたい音楽の結果がこうなっただけ、とクールなメッセージが返ってきそうです。
アルバム『なつやすみ'18 猛暑』より「アサヤケ」
MONO NO AWARE(モノノアワレ)
2013年に結成された4人組ギターポップバンド。2015年1月から現体制に。
メンバーは、玉置周啓(G, Vo)、加藤成順(G)、竹田綾子(B)、柳澤豊(Ds)。
玉置・加藤の2人が八丈島育ちとういうこともあり、彼らのサウンドからは懐かしさや憂いをはらみつつ、どこか大らかさを感じ、その上、ユーモアあふれる言葉遊びに長けた歌詞やフレーズがメロディに絶妙にハマっています。
そのオリジナリティに富んだ音楽性は他のミュージシャンからの注目が高く、米津玄師をはじめ、後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)、岸田繁(くるり)、DAOKOなどがSNSで称賛の声をあげています。
東京 / MONO NO AWARE
— DAOKO (@Daok0) July 10, 2018
新曲解禁ちゅうー 相変わらず詞がめちゃんこよいなー エモエモ#sonar813 #jwave
アルバム『AHA』より 「東京」