プログレ神なギタリスト『スティーヴ・ハウ』の80年代を代表する4枚
スティーヴ・ハウ(Steve Howe)
1947年4月8日生まれ、ロンドン出身。
1964年にプロデビューを果たし、1970年にイエス(Yes)に加入。バンドの黄金期を支えた後、1982年にエイジア(ASIA)の一員として活動するなど、精力的に数多くのバンドやプロジェクトを渡り歩くギタリスト。
バンド活動と並行する形でソロとしても、1975年のアルバム「ビギニングス」を皮切りに多くの作品を発表しています。
また近年では、長男らとのスティーヴ・ハウ・トリオ、ファミリー・バンドのスティーヴ・ハウ・レメディなどでも幅広く活動しています。
多彩なプレイスタイルが魅力
プレイスタイルの特徴は、ロック・ギターの定石に捕われず、カントリー、ジャズ、クラシック、フラメンコ、ポップなど多彩なジャンルのバックグラウンドから、さまざまな奏法をロックサウンドに溶け込ませている点。
また、レコーディングやライブにおいても何種類ものエレクトリック/アコースティック・ギターをはじめ、シタール、ペダル・スティール、リュート、マンドリンなどの弦楽器を巧みに弾きこなします。
もはやプログレ神の領域
Ladies and gentlemen, it's Prog God 2018, Mr Steve Howe! #progressivemusicawards ogress pic.twitter.com/6lP5j1MRJL
— Prog (@ProgMagazineUK) September 13, 2018
先日行われたイギリスのプログレ雑誌『Prog Magazine』が主催する<Progressive Music Awards 2018>において、スティーヴ・ハウが Prog God(プログレ神)に選ばれています。
そんな彼の1980年代を代表するアルバム4作品
YES『Drama』 1980年
メンバー
ジェフ・ダウンズ(Geoff Downes)
トレヴァー・ホーン(Trevor Horn)
スティーヴ・ハウ(Steve Howe)
クリス・スクワイア(Chris Squire)
アラン・ホワイト(Alan White)
前作「トーマト」リリース後、ジョン・アンダーソンとリック・ウェイクマンが脱退してしまい、残されたスティーヴ・ハウらメンバーが、バグルスのトレヴァー・ホーンとジェフ・ダウンズの2人を一気に引き入れて制作された作品です。
ASIA『ASIA』 1982年
メンバー
ジョン・ウェットン(John Wetton)
ジェフ・ダウンズ(Geoff Downes)
スティーヴ・ハウ(Steve Howe)
カール・パーマー(Carl Palmer)
エイジア(ASIA)は、それまでプログレ界で活躍していた元キング・クリムゾンのジョン・ウェットン、イエスとバグルスのジェフ・ダウンズ、イエスのスティーヴ・ハウ、ELPのカール・パーマーという豪華メンバーで構成されたバンドです。
デビュー前からスーパーバンドの誕生と注目されていた彼らのセルフタイトルとなる 1st アルバム「ASIA」は、予想通り全米9週No.1の大ヒットとなり、82年の年間アルバムチャートでもNo.1に輝きました。
ヒットした理由はプログレの要素を生かし、1曲3~4分にまとめられたわかりやすく聴きやすい時流に合ったポップなロックサウンドに仕上げていたということです。
しかし、2nd アルバム「ALPHA」発表後、メンバーとそりが合わなくなった彼はバンドを脱退することになりました(のちにオリジナルラインナップで活動も)。
GTR『GTR』 1986年
メンバー
スティーヴ・ハケット(Steve Hackett)
スティーヴ・ハウ(Steve Howe)
エイジア脱退後ソロで活動していた彼が、元ジェネシス(Genesis)のギタリスト・スティーヴ・ハケット(Steve Hackett)と意気投合して組んだバンドです。
1986年に唯一のオリジナル・アルバム「GTR」をリリースしています。
プログレ畑を歩んできた両者のツインギターサウンドは聴きごたえありです。
ANDERSON BRUFORD WAKEMAN HOWE
『ANDERSON BRUFORD WAKEMAN HOWE』 1989年
メンバー
ジョン・アンダーソン(Jon Anderson)
ビル・ブラッフォード(Bill Bruford)
リック・ウェイクマン(Rick Wakeman)
スティーヴ・ハウ(Steve Howe)
1970年代イエス(Yes)の主要メンバーが集結したバンド、アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウ。
1989年にリリースされた唯一のスタジオ・アルバム「Anderson Bruford Wakeman Howe(邦題は”閃光”)」。
あともうひとり、クリス・スクワイア(B)がいれば、Fragile(71)Close to the Edge(72)などの名盤を生み出した全盛期のメンバーとなる布陣です。
特徴は、80年代にラジオ局やMTVに忖度して聴きやすくコンパクトにまとまってしまったプログレッシブロックが、80年代の終わりにきて、起承転結のある10分を超える曲や多彩に用いられる変拍子など往年のファンが喜ぶ音作りに徹している点です。